EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】





「ハァ…やっと蜜莉の説教が終わった」

癒しを求めるようにギュッと小鳥を抱きしめる。

ライブ終了後もステージの裏で長々と蜜莉に怒られていたカロン。

アルトに「ドンマイ」と肩を叩かれてからようやく解放されたので、小鳥と一緒に祭りを楽しもうと屋台が並ぶ方へ歩き出す。

「あー…疲れた」

「お疲れ様ですカロンさん。これからどうしますか?一度、皆さんと合流します?」

「えー。俺としてはあんたと二人きりで――」

「させるか!」

突然声がしたかと思うと、街灯の陰からルカがひょっこり現れた。

「小鳥の独り占めは禁止!」

「そうだよ。今日くらいプリマドンナを僕に貸してくれたっていいじゃない」

ルカに続いて白魔も現れたと思ったら、兄弟全員がこちらに集まってくるのが見えた。

「マジか…。好きに遊んでりゃいいのに」

明らかに嫌そうな顔をするカロンに静理が苦笑する。

「カロン、家族と一緒に祝うのも創世祭の正しい過ごし方の一つだよ」

「こういう時だけ家族だしてくるとか、ズリー」