EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】


「……カロンの歌ってさ、低俗だよね」

隣にいる白魔の発言になんて返そうか小鳥は本気で迷った。

「低俗と思うなら白魔が何か歌ってみろっての!」

ルカが言い返すとオーレリアンがウンザリした表情で溜息。

「やめとけよ。白魔に歌わせたら全部オペラになるし」

「失礼な。僕は大衆向けの曲だって歌えるさ」

「へえー、なら今度全員でカラオケでも行く?点数勝負!」

ニヤリと笑うルカに対し、静理とフェオドールが嫌そうな顔で反論する。

「ルカ、全員で行く意味があるのかい?」

「……ない。絶対ない」

「なんだよ。二人ともノリ悪いな」


兄弟同士で会話する彼らを、小鳥は一歩下がってそっと眺めた。

ルカだけかと思いきや、まさか全員と出掛けることになるとは予想外。


(なんだか、久しぶりな気がするな…。皆さんの顔を見るの)


最近はほとんどカロンとしか会っていなかったため、こうして五人そろった所を見るのは本当に久しぶりだ。