EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】


「……なに?小動物、まさか行きたいとか言わないよな?」

ギロリ。

上から睨まれてたじたじになるが、小鳥は頑張って控えめな主張を試みた。

「い、行きたい…なぁ…と…」

「ダーメ。俺仕事だもん」

「へ?カロン、今日仕事なの?祭りのステージで歌うんだろ?」

「だーかーら、それが仕事だっつーの」

創世祭で盛り上がる街の広場の中心にてライブ。

それが今日のカロンの仕事だ。


(カロンさん、歌うんだね…。見てみたかったけど、ダメって言われちゃったし…。残念だけど諦めるしかないか…)


しょんぼりしていると、カロンが気まずそうな顔で小鳥の頭を撫でた。

「そんな顔すんなよ…。俺だって何もなけりゃあ、あんたと一緒に行きたかったんだから」

「カロンさん…」

「んー…ならさ。カロンが歌ってる時、小鳥は俺らと一緒にいればいいじゃん。ステージが終わったらカロンと合流ってことで」