EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】



 カロンにガッチリ抱きしめられて目を覚ました小鳥。

驚きと恥ずかしさに心臓をバクバクさせながら絡みついているカロンを叩き起こして一緒にキッチンへ。

二人で食事の準備をしていると、そこへルカがやって来た。

「おはよう、ルカくん」

「おはよ小鳥!ねえ、今日は創世祭(そうせいさい)だからさ、外に遊びに行かない?」

「創世祭?」

聞き慣れない単語に首を傾げる。

と、カロンが棚から食器を出しながら教えてくれた。

「今日は地下に街ができた日らしいぜ。もともと地上で暮らしてた闇人が地下に大移動して、自分達だけの世界を創った記念の日…だろ?」

「そう!地下世界創世の記念日!この日を祝うために毎年、街で創世祭っていう祭りが開かれるんだ。いろんな店が出て面白いよ」

ニコニコ笑顔で話すルカの様子からして、そのお祭りは楽しいものなのだろう。


(お祭りかぁ…。市民祭みたいなものかな?)


行ってみたい。

が、カロンが許可してくれるだろうか。

小鳥はチラリと「ご主人様」を見上げた。