「…好奇心は猫をも殺す」

チュッと軽いキスを小鳥の唇に落としてからカロンは起き上がった。

「まさか食うとは思わなかった」

「え……」

「やめとけよ。聞いたってろくなもん出てこねーから」

ふかふかの絨毯の上に落ちてしまった紙袋を拾い、テーブルに置く。

身体を起こしながら小鳥は呆けた様子でカロンのその動作を眺めた。

「あんたにはないの?知られたくない過去の一つや二つ」

「そんなの、あり…ま…」

否定しようとして俯く。

父親と不仲だった頃の記憶はあまり他人に話したくない。


「な?あるだろ?」


見透かしたようにカロンは言った。

「あんたが俺のことを知りたいと思ってくれるのは嬉しいけど……踏み込まれると…キツイ」


――やめてくれ


「キツイ」の裏側に拒絶を感じ、小鳥は黙るしかなかった。