小さな口をモグモグさせてカロンを見つめる。
(カロンさん…かなり驚いてる…?)
目を見開いて固まっているカロン。
(そんなに予想外だったのかな?)
呑気にそんなことを考えていた小鳥は、食べ終わった瞬間、カロンに押し倒されて呆気に取られた。
ドサッと背中がソファーに打ち付けられる。
そんなに痛くはなかったが、小鳥は驚いて悲鳴を上げた。
「きゃ!?」
「ん…」
半分になったクッキーをくわえたまま、のしかかってくるカロン。
彼の赤い瞳は命じる。
――全部食え
「か、カロンさ…!」
「んっ」
押し付けるように重ねられた唇。
無理矢理クッキーを口の中にねじこまれ、むせそうになったが小鳥はなんとか堪えた。
(んっ…どうして、こんな…!)
口移しで食べさせられたクッキー。
それをどうにかこうにか食し終えた時、小鳥の顔は真っ赤だった。



