問えば、カロンは少しだけ目を細めた。
「ガキの頃の俺、ね…。知りたい?」
「はい」
「ふーん…。じゃあ、こっからは有料な」
チョコチップクッキーを取り、再び口にくわえる。
カロンは先程と同様、クッキーをくわえたまま小鳥に顔を近づけた。
「ん」
「えっ!有料って…なんか違うような…」
「んんんー」
急かすように「早くー」と言ってみるカロンだが、果たして小鳥に通じただろうか。
(どうしよう…。カロンさんのことは知りたいけど…)
恥ずかしい思いをしてまで聞き出す意味はあるのか。
(でもでも…!)
――知りたい
欲望に忠実になった瞬間、小鳥の身体は自然と動いていた。
カロンに唇を寄せ、クッキーの端をくわえる。
そして、思い切って歯を立ててかじった。



