EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】


壊す勢いで握るカロンの手をどうにかしようと小鳥がおどおどし始める。

すると、別のことに気を取られたらしいカロンが我に返ってアッサリと手を離した。

「あ、そうだ。忘れないうちに言っとく」

「なんですか?」

「明日は休日だけど仕事入ってるから出掛ける。いい子で待ってろよ」

ペットに言い聞かせるように頭を撫でてくる。

しょっちゅうカロンに撫でられているせいか、最初は恥ずかしかったこの行為も最近では安心感を覚えるようになってきた。

「お休みの日なのに……大変ですね」

「まあ、大変だけど前の仕事よりは気に入ってるし」

「前のお仕事?」

「前はモデルやってたんだよ、俺」

「モデルさん!?私のお母さんと一緒ですね」

「ああ…そういえば小動物のお袋ってモデルだっけ?ちんちくりんなあんたを見慣れてるから信じられないけど」