「ククッ、小動物が焦ってる。面白れー。もっと言ってやれクマ吉」
「えっ!この子に名前あったんですか!?」
「いんや?べつにクマ五郎でもクマ左衛門でも何でもいいけど?てかそれより、こっち」
流すように言うとカロンはクッキーを自分の口に挟んだ。
「ん」
「へ…?」
「んっんー」
クッキーをくわえて小鳥に顔を寄せる。
どうやら「食ってー」と言ったらしいが、意味を理解したところで小鳥が頷くわけがなかった。
「く、口とか無理です!本当に勘弁して下さいカロンさん!」
「むうっ」
全力で拒否してきた小鳥を不満そうに見つめながら、仕方なく自分でモグモグとクッキーを食べるカロン。
『ヤーイ!フラれてやんの!』
「…絞め殺したろかこのクソロボ」
食べ終わったカロンは余計な一言が多いクマのぬいぐるみをギリリと掴んだ。



