「よし。つーことで、結婚式明日な」

「…え、えぇ!?」

いきなりそれは無理だろう。

「なんで…!急過ぎませんか!?」

「だって…早く抱きたい」

拗ねたようにむくれるカロン。

「式を明日にしなきゃ、それ以上待てる自信ないぜ俺」

「そっ…そこは頑張って待って下さい!」

「へー、あんたは俺に拷問地獄を楽しめと」

ニヤリと笑うと、カロンは小鳥の耳元で誘惑するように囁いた。

「地獄より天国に連れてって欲しいんだけど。あんたの身体で」

「っ…!!」

貞操の危機を感じ逃げ出そうとする小鳥。

しかし呆気なく捕まった。

「待ーてーよ。ほら、優しくしてやるからビビるな」

「や、です!無理…!」

ジタバタする小鳥をカロンが後ろから抱きしめる。

と、彼は低い声を出した。

「あんまし暴れっと……噛むぞ」

「ふえ?」

次の瞬間、襟元が乱され、小鳥の肩にカロンの舌が這う。

「んっ」

「あ…!」

牙が肌を破った。

痛みに顔を歪めるも、カロンに吸われていると思うとそれすらも喜びに変わってしまうから不思議だ。


「あんたが本気で嫌なら…仕方ねーから我慢してやる。その代わり、血くらい吸わせろ。なるべく優しく…噛んでやるから」

「はい…」

涙目になりながら小鳥はカロンの優しい吸血と愛に溺れた。