ようするに「俺の女だ」的な意味がこめられているらしい。
意味を理解して小鳥は耳まで真っ赤になった。
「だから、俺のこともあんたのものにして?」
そう言ってピンクの薔薇のペンダントを小鳥に手渡す。
「つけて」
カロンは首を低くして小鳥に近づけた。
「う、後ろ向いて下さい」
「ヤダ。前からつけろ」
自分は後ろ向かせたくせに、と心の中で文句を言いつつも小鳥は向き合ったままカロンの首にペンダントを持っていった。
至近距離にカロンの綺麗な顔があるのはなれないので、サッサとつけてしまおうと心に決める。
(あ…カロンさん……まつげ長い)
手探りでチェーンをつけながら、そんなことを考えていると、不意に目と目が合った。
「ん。よくできました」
チャリとチェーンが鳴り、カロンの首元でピンクの薔薇が揺れる。
「なあ、俺が結婚したくらいでやめちまうファンのことなんかほっとけ」
カロンは小鳥を自分の胸に抱き寄せた。
「それに、あれだろ?俺が頑張ってイイ男になればいい話だろ。既婚者でもファンでいたいって思えるような、な?」



