ふと、さっき助けた女性の末路を思い出し、吐き気が込み上げる。
ゲームセンター前で男達に取り囲まれていた彼女は、あの後、別の男達に捕まって集団暴行を受けた。
今度の連中は闇人ではない。
人間だ。
この街には闇人から逃げてきた人間達が集まってつくった暴力団のような組織がある。
出会ったのが人間だからといっても油断はできないのだ。
常に気を張って、自分の身は自分で守る。
誰も信用なんかできない。
「はぁ………つかれた…な…」
建物の壁に寄り掛かり、ズルズルと座り込む。
蜜莉を刺した。
まだ生きているだろうか。
途中で人が集まってきたため、ちゃんと彼の死を確認していない。
(死んでれば、いい…な…)
のたうちまわって、苦しんで死ねばいい。
そして、知ってほしい。
(私は……もっと痛かったんだよ……蜜莉…)
膝を抱えたら、涙が頬を伝った。
(つらかったんだよ…。あなたに、捨てられて…)
死んでくれたら、嬉しい。
そう、嬉しいはず。
なのに――。
「っ、うぅ…やぁ……やだよ…死んじゃ…やだよぉ…!ミッつ……う…うぁあああああっ!!!!!」
ボロボロと、大粒の涙が止まらない。
(あなたが…好き……。だいすき、なの…)
未だに忘れられない恋心が悲しみの涙を溢れさせる。



