聞いた瞬間、蜜莉はホオッと溜息をついて肩の力を抜いた。
「ありがとう…」
「それは後でオーレリアンに言えよ?」
「で、誰がしたの?何があったの?話してよ全部」
和んだのも束の間。
紫音が鋭い目つきで蜜莉に迫る。
「……あんまり…話したくないな」
「なにそれ。ボクがどれだけ蜜莉を心配しているかわからないの!?」
興奮した紫音が蜜莉の肩を揺さぶった。
「っ…!!」
傷に響いたのか、蜜莉は痛みに顔を歪める。
「ちょっと貴方!」
「患者になんてことを!」
看護婦二人が紫音を引き離そうとしたが、そうすることで彼の怒りに触れてしまった。
「能無しどもは出ていけよ!!それとも何?ボクに殺されたい?蜜莉を治せないキミ達に価値なんてないんだから、殺されたって文句は言えないよね?ねえ!?」
狂った瞳で獲物を見つめる紫音の危うさを感じ取り、カロンが動いた。
「おい、あんたら出ろ。マジで殺されるぞ」
看護婦達を廊下へ追いやり、扉をパタンと閉める。



