「貴方、心臓を刺されたんですよ!?大人しくしていないと本当に死んでしまいます!!」

この言葉を聞いて小鳥達は息を呑む。

青ざめた顔で胸を押さえる蜜莉に紫音がいち早く駆け寄った。

「蜜莉!!心臓刺されたの!?誰!?言って!ボクが特製の爆弾作ってグチャグチャに吹き飛ばしてきてあげるから!」

「言いなさいな、蜜莉。そいつ、わたくしの剣のサビにして差し上げますわ」

「紫音…姉さん……来てくれたんだ…」

姉弟を視界に捉えてから蜜莉はカロンと小鳥にも目を向けた。

「ごめんね、わざわざ…」

「んなことより…マジで大丈夫なのか?」

人間よりも強い身体を持っている闇人は太陽を見ない限り、首を切断されるか専用の毒薬を飲むかしなければ死には至らない。

とは言え、どちらかといえば心臓は弱い部分だ。

刃物で刺されたなら流した血と同じ量だけ人間の血液を摂取しなければ死ぬことだってある。

「大丈夫……まだ、生きてるし」

蜜莉が冗談めかしくヘラリと笑った時だった。

看護婦の一人が蜜莉に血のボトルを差し出した。

「とにかく、血を飲んで下さい!そうすれば少しくらいは外出の許可が下りますから…!」