EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】


確証はないが、可能性は高い。

小鳥はもう一度子機を握った。

「一か八か…」

ぬいぐるみが発した通りの番号を押していく。


(お願い!繋がって…!)


数回の呼び出し音を聞いた後、受話器の向こうから聞き慣れた声がした。


『もしもし?誰?』


(っ!?この声!)


カロンではない。


「ルカくん!?」


『は?え!?まさか小鳥!?』

「はいっ」

『なんで俺の番号知って……てかどうしたの?なんかあった?』

「あの、実は…」

カロンに閉じ込められ、部屋から出られなくて困っている。

状況を伝えるとルカは慌てた口調でこう言った。

『待ってて!今から俺が行くからっ』

「でも、ルカくん授業中なんじゃ…」

『もう終わる頃だから、抜けても平気。すぐ行くよ。じゃあ』

そこで一方的に通話は切れた。