それから結局ゲームで遊んだ二人。
あっという間に時間は過ぎ、気づけば二時間経っていた。
「あー……戻って来ないな、蜜莉」
シンプルな壁掛け時計を見てカロンが呟く。
「そうですね。どうしたんでしょうか…」
心配していた丁度その時、コンコンと扉がノックされた。
二人してそちらを見ると、ガチャリと扉が開いて紫音がひょっこり顔を出す。
「蜜莉、いる?」
「いねぇよ」
「どうして?どこへ行ったの?ボクの蜜莉は」
目をパチパチと瞬かせ紫音が問う。
「さあな。用事ができたから出掛けるとか言ってたぜ」
「ふーん。つまんないの。せっかくの休みだから蜜莉と二人でいたかったのに」
持っていたアライグマのぬいぐるみをきつく抱きしめて、紫音は小鳥とカロンを品定めするように見つめた。
「……まあ、いっか。蜜莉の代わりにキミ達がボクと遊んでよ。暇してるんだ」
「はあ?誰がガキの相手なんかするかよ。俺と小動物の時間を邪魔するな」
小鳥を抱えたカロンがシッシッと手を振る。
すると紫音の明るい瞳が鋭く光った。
「ガキって……むかつく。ボクはガキじゃない」
「甘い血が好きな時点で味覚がガキだ」
「チッ…えらっそーに」



