隠さずに出せ、と目で脅してくるカロンに蜜莉は呆れ顔。
溜息をつきつつ素直にシリーズ1を差し出した。
「カロン、君さ。小鳥の前でこんなのやるつもり?」
チラリ。
カロンと蜜莉が小鳥を見る。
「…わ、私のことは…気にせず」
頬を赤らめて縮こまる小鳥に対し、カロンは堂々と言った。
「……て小動物も言ってるし、俺はやる」
そして攻略対象のキャラクターを見始める。
「七人か…多いな。面倒だから一気に全キャラ攻略してぇー」
「一気にとか無理だからね。プレイするなら一人にしぼって」
(うう…。カロンさん、スゴク楽しそう…)
気にせずどうぞ、なんて言ってしまったが、やはりやって欲しくないのが本音だ。
二次元とはいえ、女子を落とそうと張り切るカロンを傍で眺めているのは胸がモヤモヤする。
「ねえねえ、小鳥」
落ち込んでいる小鳥の肩を蜜莉がポンと叩いた。
「これやってみない?」
カロンとは別のゲームソフトを一つ渡される。
そのパッケージに描かれている絵は、一人の女の子を中心としたカッコイイ男子六人だ。
タイトルは『SADISTIC狂愛デジャ・ビュ』。
「これは…?」



