連続で五試合やった二人だが、いずれも蜜莉の勝利となった。
「つーか、蜜莉って何のゲームやらせても上手いよな」
「ミッつんの特技はゲームなんだね。ちょっと意外」
「そう?」
明るい笑顔を見せてから蜜莉はちょっぴり切なげな顔をした。
「昔は、僕…身体が弱くてさ。なかなか外に出て身体を動かせなかったから、憂さ晴らしにゲームばっかりやってたんだよ。ジャンル問わず色んなのに手を出したなぁ…。でも一番好きなのはやっぱり格ゲーだけどね」
しゃべりながら穏やかな笑顔でゲーム画面を見つめる蜜莉。
「なあ…身体弱かったって……あれか?血がダメなのと関係あるのか?」
詳しく知らなかったカロンが躊躇いがちに尋ねた。
「うん…。血を飲んでも身体が拒否して全部吐いちゃってたから。栄養が摂取できなくて……ずっと部屋にこもってたんだ。フラフラな身体で外に出て倒れでもしたら、周りに迷惑だしね」
過去を思い出した蜜莉の瞳が一瞬、陰る。
「でも今は大丈夫だよ。オーレリアンが薬を開発してくれたから皆と同じように生活できる」



