EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】


「あっ、そっか。小鳥もいるんだから乱闘系にしようか」

蜜莉が違うソフトを出そうとしたので小鳥は慌てて止めた。

「い、いえいえ!私は見てるだけでいいから…!ミッつんとカロンさんでどうぞっ」

「でも…見てるだけじゃつまらないでしょ?」

「そんなことないよ!大丈夫っ」

一度もテレビゲームをやったことがないため操作の仕方がよくわからない小鳥は観戦者側に回りたいと主張。

本人がそこまで言うならと、蜜莉はしふしぶ頷いた。


さて、そして始まった格闘ゲーム。

蜜莉とカロンの一対一を小鳥は固唾を呑んで見守った――と言いたいところだが、実際は緊張感のカケラもない可愛らしい試合だった。


「おらおら!どうした蜜莉!かかって来い!」

「挑発?悪いけど乗らないよ。次の連続技で決める!」


(あ、ウサギさんがタヌキさんにかかと落としした…)


このゲームは登場するキャラクターが全て動物なうえ、そのキャラ絵が非常に愛くるしい。

カロンはタヌキを、蜜莉はウサギを選んで大暴れしている。


「クソッ、俺のジョナサンが…」

「ふふ、また僕の勝ちだね」

タヌキの本名を呟きながらカロンが苦い表情。

「相変わらず強ぇーな。勝てねぇ」