「デンワ…?電話!?」
電話があるのだろうか。
室内を見回した小鳥は本棚の上にそれを発見した。
「あった!子機!」
鳴ってもいないのに電話を教えてくれたぬいぐるみに感謝しつつ子機を持つ。
(これでカロンさんに連絡して、カギを開けてもらえば…)
そう考えて行動に移そうとした小鳥だったが、ボタンを押す手前でハッと気がついた。
「私…カロンさんの番号を知らない…」
ケータイらしきものを所持しているのは知っているが、それだけだ。
番号は教えられていなかった。
「ハァ…これじゃあ電話があっても意味ないや…」
ガックリと肩を落とし、子機を本棚の上に戻す。
とその時、またもや救いのぬいぐるみが声を出した。
『×××-12r538』
「へ…?」
クマのぬいぐるみは繰り返す。
『×××-12r538』
(これって、まさか…)
「カロンさんのケータイ番号?」



