玄関ホールにある螺旋階段を上がり二階へ。

小鳥とカロンは廊下の一番奥にある蜜莉の部屋を訪れた。


「おー、さすが。いつ来ても清潔だな」

白と水色を基調とした部屋は小綺麗で、落ち着いた雰囲気だ。

「わあー、本棚がいっぱいある」

部屋の壁際をうめつくしている本棚の一つに近寄った小鳥。

するとカロンがチョイチョイと指で肩を叩いてきた。

「小動物。それ、本じゃねーぞ」

「え?」

「本棚に入ってるからそれっぽく見えるけど、全部ゲームソフトな。本なんか一つもな…くはないか。攻略本あるもんな」

「え……ええっ!?これ全部ゲームソフトなんですか!?スゴイ数ありますけど…!」

「アハハ、驚いた?僕、昔からゲーム好きでさ。集めてたらこんなになっちゃったんだ」

蜜莉の意外な趣味を知り、唖然となる小鳥。

その横で蜜莉は何個かソフトを選び、棚から取り出した。

「またゲームしようよ、カロン。新しいの買ったんだ」

「ああ、いいぜ」

テレビをつけて用意をする蜜莉を待っている間、カロンと一緒にテーブルに置かれたゲームソフトを眺める小鳥。

「これは…何のゲームですか?」

「格ゲー」

「かくげー?」

「格闘ゲームの略。あんたは苦手そうだな」