(私は…幸運なんだ…。人間が弱い立場の地下世界で、カロンさんに守ってもらってる…)
さっきの少女と女性は自分自身を守るために、生きるために必死だった。
(贅沢だな…私。なんか、後ろめたい…)
「おい、そんな顔するな。あんたが落ち込むことないから」
「でも…私だけ…こんな贅沢でいいんでしょうか…?」
「別にあんただけが贅沢なわけじゃないぞ。優遇されてる人間だって大勢いる。差が激しいだけだ」
カロンは自分を意識させるように小鳥と手を繋いだ。
「もう気にすんな。俺とのデート中にしんみりするの禁止」
チュッと軽く額に口づけてやれば容易いもので。
小鳥は顔を真っ赤にしてカロンを上目遣いに睨んだ。
「いきなり…恥ずかしいです…!しかもこんな外でっ」
「小動物の意見なんて聞かねーもん。ほら、行くぞ」
歩き出したカロンに手を引かれ、小鳥もついて行く。
一度だけ振り返った路上に、もう彼女達の姿はなかった。



