EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】





「そろそろお腹減ってきたなぁ…」

それにトイレにも行きたい。

部屋から出るな出るなと言われているが、ちょっとだけ。

そう思って小鳥は部屋の唯一の出入口に向かい、ドアノブに手をかけた。

しかし――。


「え…嘘…」


扉が開かない。


「カギ…かかってる…」


サァーッと顔が青くなる。


(私、本当に閉じ込められてる!?)


カロンが学校から帰って来るのはまだ何時間も先だ。

「どうしよう…!」

ガチャガチャとドアノブを動かしてみるもなんら意味はなく、小鳥は途方に暮れた。


(ドアを叩いて大声を出したら、誰か気づいてくれるかな?)


しかし、誰も家にいなかったらどうしよう。

おまけにここはカロンの部屋の更に奥にある。

声が廊下まで届くとは思えない。

「うぅ~…本当にどうしよう…!冗談抜きでこの状況はピンチだよ…」

小鳥が頭を抱えていると…。


『デンワだよ!デンワだよ!』


ソファーに置いておいたクマのぬいぐるみが話し出した。