「なら尚更、俺から離れんじゃねーぞ?あんたみたいな小動物、この辺にウヨウヨいるゲス野郎どもからしたら扱いやすいご馳走だからな。ラブホに連れこまれてイイように遊ばれて最後に血ぃ吸われて殺されたくないだろ?」
小鳥の顔からサァーッと血の気が引いた。
「こ、ここって、そういう場所なんですか…?」
「まあ、そういう事件が多い場所だな」
青ざめた小鳥がギュッとカロンの服を掴む。
それを見てカロンは意地悪げに微笑んだ。
「なーに?今の聞いて欲情した?ああ、そうか。俺となら喜んでラブホ行くよな小動物は」
「行きません…!というか…あるんですか…?この辺に…」
「ん?何が?」
「その……ホテルが…」
赤面して口ごもる小鳥。
ここでカロンは鬼畜っぷりを発揮した。
「え?何ホテル?ちゃんと言ってくれなきゃ俺わかんない」
小鳥が何を言いたいか、わかっているくせにもう一度言えと笑顔で迫る。
「……ラ…ぶ……っカロンさんの意地悪ぅ!!」
「あー…はいはい。俺が悪かったゴメン。からかい過ぎた。だから叩くなイタい」
涙目でポカポカと腹を攻撃してくる小鳥の頭を撫で撫で。
「お詫びに教えてやるよ。あれ。あっちに見えてるデッカイビル、全部ラブホな」
少し離れた距離にあるビル群をカロンは指差した。
「行きたくなったら言えよ?」
「近づきたくないから知りたかったんですよ!」



