ということで、真面目に勉強することにしたカロンは寝る前の朝方にルカと二人で図書室へ。
「なあルカ、今回は古文なに出っかな?」
「んー…また百人一首じゃない?先生同じだし」
「マジか。暗記もんとかホント、ダりぃ」
眠たげにあくびをしつつ、ノートを片手に図書室の椅子に腰掛ける。
「やっぱカロンも理数の方が得意な感じ?」
「ああ。そっち系は落としたことないな」
二人して顔を見合わせ深い溜息。
どうやら苦手分野は同じなようだ。
「……年号とか…頭入んないんだけど」
カロンがぼやけばルカが頷く。
「わかる。そんな俺達を知ってるくせに、年号問題バンバン出すって授業中に宣言した静理はもうホントに鬼畜だと思う。泣きたい」
「マジか初耳。俺寝てたな」
それから一時間。
頑張ってみた二人だったが、無駄口ばかり多くて一向に暗記ができない。
苛立ってきたカロンは考え方を変えた。
「…なあ、ルカ」
「ん?なに?」
「どうせ俺らの馬鹿な脳みそじゃ覚えらんねーんだからさ。やっぱ問題用紙か解答パクった方が賢くねぇ?」
「お前っ!静理の部屋に忍び込む気か…!?やめとけよ!見つかったら最悪殺されるって!」
「別にヘーキだろ。この屋敷で静理を怖がってたら生きていけねーぜ」
ドヤ顔のカロンがなぜか頼りがいのあるカッコイイアニキに見えてしまったルカ。
「……カロン、度胸あるな……いいなぁ…」
小さく本音を漏らしているとカロンに肩をポンと叩かれた。
「てことで、あんたはフェオの部屋からテスト問題盗んで来いよ?」
「よし来た!フェオなら任せろっ」
この後、アッサリ静理とフェオドールに捕獲された二人が一週間、みっちり勉強させられたのは語るまでもない。



