「じゃ、俺は学校行くけど…あんたはここでいい子にしてろよ?」
食事が終わり、部屋に戻ってきた二人。
カロンは特別なペット部屋にいる小鳥を見届けてから出掛けていった。
(はぁ…やっと一人になれた)
何だかんだと、昨日からずっとカロンが傍にいた。
一人が好きというわけじゃないが、ようやく落ち着ける。
「ふう…さて。何してよう…?」
本当なら家事をやりたいのだが、部屋からは出るなと言われている。
グルリと室内を見回して小鳥は暇つぶしを探した。
「テレビがある…。本も。あとは…」
『アソボー!アソボー!』
「ひゃあ!?」
突然しゃべり出したクマのぬいぐるみ。
小鳥はバクバク鳴る胸を押さえてぬいぐるみを見た。
「ビックリしたー。そっか、しゃべるんだよね。この子」
本棚の上にはクマの他にウサギやサル、ヒヨコのぬいぐるみが並んでいる。
が、どうやら「しゃべるし動くスグレモノ」はこのクマだけらしい。
――寂しくなったら話し掛けてみな
カロンの言葉を思い出し、小鳥はそれを抱き上げてソファーに座った。
「暇だし、テレビでも見よっか」
『ミるミる!』
手をパタパタ動かすクマを膝に乗せ、テレビをつける。
それからしばらくの間、小鳥はテレビを見ながらまったりした時間を過ごしたのだった。



