EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】





「で?賭に負けた感想は?」

「嫌みかよ。とことん性格悪りぃーな、あんた」

あれから、食事やその他もろもろを済ませた小鳥を寝かしつけた後、カロンは白魔の部屋を訪れた。

わざわざ賭の結果を報告しに来てやったというのに、勝ったと知ったら嫌らしい笑顔であの言いようだ。

「負けたんだから潔く、あんたの望む通りにしてやるよ」

小鳥を手放し、白魔のもとへ。

「けど、絶対奪い返す。もう負けねぇから」

椅子に座る兄を睨みつけて堂々と宣言する。

「ふーん…」

白魔はカロンをジッと見上げると、挑発的な微笑をつくった。

「ふふ。正直者が馬鹿を見るって言うけど、今回の君は正直であるがゆえに救われるね」

「は?」

目を点にした弟を見てやれやれと呆れる白魔。

「あーあ。本当に馬鹿。なんで僕に嘘つかなかったの?僕は実際見てないんだから、たった一言“賭は俺が勝った”って言っちゃえば君に都合がいいじゃない。そしたら嘘ついた罰として、問答無用で小鳥を奪ってあげたのにさ」