無茶苦茶発言をされたような気もしたが、とりあえず小鳥は今一番の問題を口に出した。

「あの、カロンさん。柩のフタを開けてくれませんか?どうすれば開くのか、わからなくて」

体格差のせいで上目遣いにカロンを見れば、ジッと見つめ返される。

「……あんたと柩の中で二人きり…。ヤバ。萌えシチュ」

「は…?」

次の瞬間、小鳥を抱き枕よろしく腕の中に閉じ込めてギューギューするカロン。

「あーあ。もう今日は小動物のニオイ嗅ぎながらこのままゴロゴロしてたい」

「かかカロンさん!ダメです!起きましょう!」

「学校とか仕事とか……ホント、燃え尽きて灰になればいいと思う」


(どうしよう!カロンさんの発言が危ない!)


とにかく起きなくては。

気怠そうにしているカロンをなんとかするべく小鳥は考える。

「わ、私!お腹が空きました!カロンさんと一緒にキッチンでご飯作りたいですっ」

「あー…メシか。確かに俺も腹減ったな…。うん、起きるか」


意外とアッサリ動いてくれた。

柩のフタを持ち上げるカロンを観察して、開け方を覚える。


こうして小鳥の一日が始まった。