白魔の身体が勢いよく吹っ飛び、廊下の壁にぶち当たる。
瞬間、カロン目掛けてナイフが三本飛んできた。
「痛っ」
カロンの頬に赤い線が二本走る。
「気をつけなよ。馬鹿力」
背中の痛みにイライラしつつ四本目のナイフを手で弄ぶ白魔。
「全く…どこまでも馬鹿だよね。そんな君を憐れんで、特別にいいこと教えてあげるよ」
余裕そうな笑みを浮かべゆっくりと弟に近づく。
「小鳥はカロンのことが好きだってさ」
「……は…?」
「わかる?ジュテームってことだよ?」
カロンのためにフランス語で言ってやると、大きく見開かれていた赤い目が戸惑いに揺れた。
「まあ、愛してる、なんて重い言葉は使ってなかったけどね。ハッキリ好きとも言ってないし。けど、彼女の想いは恋人を愛する気持ちと一緒さ」
「小動物が……俺を…?は、はは……ご主人様として、だろ?可愛がってるから勘違いしてるだけじゃねーのか?」



