フィアンセとして大事に大事に愛してあげる。
だから僕のものになれ、と白魔は言う。
確かに白魔ならカロンとは違う愛情をくれるだろう。
けれど――。
「ごめんなさい…」
涙を手で拭いながら小鳥は儚く微笑んだ。
「私は…カロンさんじゃなきゃ…ダメみたいです」
(カロンさんが好き。だから、白魔さんのところへはいけない。いきたくない…)
あの運命の日もそう、誰でもない、自分自身でカロンを選んだ。
きっと知らず知らずカロンに惹かれていたのだろう。
「一生ペット扱いでもいいの?」
「ペットでも……いいです。悲しいけど……カロンさんと離れる方が…きっと堪えられないから」
「そっか…」
何かを考えるように目を細めると、白魔は緊張の糸を切るようにフウと溜息を吐き出した。
「なら僕とのアバンチュールも無し、か。残念」
ギシとソファーが軋む。
白魔が立ち上がった。
「でも、そんな小鳥が好きだよ」
愛おしげに微笑みながら扉に手を掛ける。
「じゃあね」と言って彼は部屋から出て行った。



