EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【カロン編】


「ほら行こう!」

「あ、おいっ」

無理矢理ルカに引かれて歩道を行く。

弟が出て来て諦めたのか、彼女はそれ以上追いかけてこなかった。


「お前さ、なにあれ。なんなのあれ」

女子生徒が見えなくなってからルカの手がパッと離れる。

彼の青い瞳が不満げに真っ直ぐカロンを見つめた。

「別に。ルカに関係ない」

「俺には関係ないけど、小鳥は?小鳥はこのこと知ってるのか?」

「あんたまで小鳥小鳥って……あんた小動物のなんだよ。飼い主でもご主人様でも彼氏でもないだろ。口出すな」

「俺が部外者なのはわかってるよ!そうじゃなくてカロン、お前こそ小鳥の何なんだよ!言ってみろ!」

「はぁ?」

「忘れてんなら思い出せよ!」

喧嘩ごしに言われてムッときたものの、カロンはポツリポツリと言葉をこぼした。

「俺は……あいつの…飼い主で…。守ってやんなきゃ、ならなくて…」

これを聞いてルカは大激怒。

歯痒そうに拳を握り締める。

「違うだろ!?カロンは小鳥のフィアンセだろう!?どうなんだよ!間違ってるか!?」