それから数日後、学校の一時限目が終わってからカロンは眠たげに欠伸をしつつ廊下へ出た。
「カロン、どこ行くの?次の授業はそっちの教室じゃないでしょ?」
蜜莉が後ろから呼び掛けてくるが振り返ることなく告げる。
「サボるから、出席だけよろしく」
「ハァ…名前書いたって無駄だよ。カロンは目立つから、いなかったら即バレる」
そんな声が聞こえたが、カロンは無視して爆睡するための空き教室を探し始めた。
(ねみぃ…)
最近、寝不足だ。
理由は小鳥のせい。
安心しきって眠る小鳥の隣で彼女を意識しないように頑張っているカロンだが、ドキドキがうるさくてなかなか寝付けない。
(ガキか、俺は…)
おかげで今の時間に眠気が押し寄せる。
「はぁ…くそねみぃー」
誰もいなさそうな静かな教室のドアをガラッと勢いよく開けて中へ。
「あれ、カロン?」
「きゃ…!?」
誰もいないと思っていたが間違いだったようだ。
「白魔……なんであんたがいんの」
一番上の兄、白魔が女子生徒を抱きしめている現場に遭遇してしまった。



