蜜莉が頬を膨らませる横でカロンは首を捻った。
「ライクとラブの違い…?よくわかんねーけど、欲情はライクか?」
「いやいやラブじゃない?つまりあれだよ。アイラブユーってや・つ」
「すまんアルト。フランス語で頼む。英語キライ」
「ムキー!なんで英語からっきしなくせにフランス語はできるんだよ!」
「親父もお袋もフランス出身だから。ちなみに家での第二共通語はフランス語」
「話がそれてるよ二人とも。要するに、カロンは小鳥に恋しちゃったかもしれないってことだね」
蜜莉にまとめられて再びカロンは首を傾げる。
「恋…なのか?前にも一回欲情したことあったけど…あれとはベツモンか?」
以前、ルカによって阻止されたことを話したら蜜莉が真面目な顔で答えをくれた。
「今は理性で抑えてるんでしょ?ベツモンじゃない?単に本能的なものならとっくに小鳥は食べられちゃってるよ。君に」
「そう…か」
考え込むカロン。
最近は嫌な悪夢も見なくなったし、小鳥も元気を取り戻したので大満足なのだが、まさか自分にこんな問題が浮上するとは。
(恋、か…)
よくわからない感情を持て余す。
今日も小鳥の隣に横たわってもんもんとするであろう自分を想像し、溜息を吐き出すカロンだった。



