のんびりとした二人の会話に、フェオドールは軽い溜息をついた。
「……そんなことより、ルカは二十四時間このままなのか?強制的に闇人に戻す薬とか……ないの?」
「ハッハッハッ、ないない。どうせ時間が経てば戻るんだからね」
からからと笑う父親にフェオドールはもう一度溜息を吐き出す。
「あ!じゃあ、食事とかどうすんの!?血液じゃマズイよな!?人間のもの食べないと。あぁ……ヤバイ。なんかちょっと腹減ってきた」
ルカが自分のお腹を押さえると、ジェラルドからこんな提案が。
「それならば、小鳥ちゃんに作ってもらえばいいじゃないか」
「こ、小鳥に……?」
「……マドモアゼルに、迷惑じゃ……」
「わかっていないなぁフェオ。こんな時でなければ、人間のマドモアゼルの手料理など美味しくいただけないではないか!」
断言するジェラルド。
フェオドールが探るように父親を見つめる。
「……もしや父様、そんな理由で、こんな薬を……?」
「いや流石の私も、可愛いマドモアゼルの手料理のためだけにこんな難しい研究を何百年も続けたりしないからね?」
この答えにはルカが純粋に驚いた。
「えっ、違ったの?欲望に忠実な父さんならやりそうだと思ったのに」
「確かに!愛のためならばやりかねない!」
会話が脱線しまくりであるが、結局のところルカは二十四時間、闇人には戻れない。
そして、なんだか腹も減ってきた。
という訳で、父親の提案を採用したルカは小鳥のもとに向かったのだった。



