「なんで!?いきなり!?俺達の牙って抜けるの!?」
騒ぐルカを三秒程見つめてから、フェオドールがハッと我に返る。
「……ルカ、抜けたのは上?下?」
「全部だよ!全部!」
上下全ての牙が一気にポロポロと痛みもなく抜け落ちた。
普通は有り得ない。
ルカの手にある吐き出された四つの牙を視界に入れ、フェオドールは首を捻った。
「一体これは、どういうことなんだ……?」
「ま、まさか、牙が抜ける奇病……とか!?」
自分で言ってルカがぶるりと震えた、その時。
ガチャリと扉が開き、部屋にジェラルドが入ってきた。
「フェオ〜、待たせたね。おや、ルカ。どうしたんだい?私に用事かな?」
「父さんっ……!俺、牙抜けちゃった!」
「え?」
父親の顔を見るなり、涙声のルカは瞳を潤ませて自分の牙をズイと差し出し見せつけた。
それを目にしてからジェラルドは、机に空の小ビンが置いてあるのを発見する。



