ルカの素早いツッコミを聞き流し、フェオドールは約束した。
「……後で渡しに行く」
「サンキュ!」
相手がフェオドールで良かったと、ルカは心底安堵する。
これが静理だったならグチグチとお説教されるに決まってる。
そんなことを思いながら踵を返そうとして、ふとルカは机の方に目を遣った。
(うわ……)
机の上が汚い。
普段は綺麗に整理整頓されているそこには今、雪崩が起こりそうな程に積まれた書類の束やら、よくわからない実験器具やら、色んな大きさの本やらが乱雑に置かれている。
「何ここ。フェオの部屋並みにゴチャゴチャしてる……」
「……さっきまで、父様がいたから」
「あ、そっか。まだ父さん屋敷にいたっけ。父さんどこ行ったの?」
「食糧庫。……すぐ戻ると思う」
答えてからフェオドールは軽い溜息をついた。
「父様がいる時は、この部屋は父様の私室のようなものだから……物が増える」
「にしても散らかり過ぎ!フェオはこういうとこ父さんに似たのか……」



