「ここだけ壊れてるから。こっから入るんだ」

その場所だけガードフェンスがひしゃげており、人が通れそうな隙間ができている。

小鳥はルカの後を追って、ガードフェンスの隙間から中へ入っていった。

「すごい数のゴミですね……」

周りにある鉄くずの山を見上げ、圧倒されてしまう小鳥。

ルカは苦笑した。

「だよなぁ。ポイポイ捨てないでもっと大事にしろっての。これなんかさ、まだ使えそうじゃん」

近くにあった肘掛け椅子にルカが視線をやる。

放置されて間もないのか、比較的綺麗な椅子だ。

「あっ、あんなとこにパソコンあるし。旧型か……?後で分解しよ」

そんな独り言を呟きながら、積まれたガラクタの間を通り抜けてルカは奥へと進む。

すると、半壊された倉庫のような建物に行き着いた。

「一応、ここが秘密基地」

小声で紹介してから、もう建物としては意味をなしていないそこへルカは足を踏み入れる。

小鳥もルカに続くと、ドラム缶やら鉄骨やら、よくわからない大小様々な機械やらが彼女を出迎えた。