「何やってるのさ、行くよルカ」
「っ、うっさいな!わかってるし」
白魔に呼ばれ、すぐ小鳥から離れる。
そんなルカを視線で追いかけ視界に入れれば、彼も耳まで赤かった。
(ルカくん……)
出ていくルカをぽやっと見つめる。
ルカを思ってボンヤリしていたため、白魔達が出ていった後に突然声を掛けられ、小鳥は悲鳴を上げそうになった。
「……君は、ルカが好きなのか?」
フェオドールだった。
ずっといた彼の存在を思い出し、小鳥はハッと我に返る。
(私は、ルカくんの、こと……)
好きなのか。
その問いに、この地下世界に来てからの日々を振り返る。
ーーもう、寂しくないよ。……俺が、傍に
屋敷で初めて会った日、ルカは照れながらそう言ってくれた。
ーー忘れてほしくなかったんだ…。俺のこと
小さい頃の二人だけの記憶を、大切に思っていてくれた。
ーー大丈夫。俺が小鳥を守るから
不安の中にいた自分に、誰よりも先に欲しい言葉をくれた。
「好き…………です」
あの雪の日から、惹かれていたのかもしれない。
「……そうか」
憂うような吐息をこぼしてからフェオドールが黙り込む。
それ以上、彼が口を開くことはなかった。



