「お前ら軍学校の生徒だろ?何で店出してんの?任務だったら、祭りの警備とかじゃない?」
「今日は休みだ。基本的に任務はない。だから菓子を売っている」
簡潔過ぎる氷河の説明に、レオが付け足した。
「この前の模擬戦で、俺達のチームはチームワークの悪さが課題になってしまったんです。次も同じメンバーなので、課題を克服するためにチームの皆で協力して、何かやってみることになりました。それがこれです」
これ、と言いながらレオは、屋台に並べられたクッキーやカップケーキ、蒸しパンを示す。
すると氷河が今までの苦労を語り出した。
「売ることだけではない。菓子を作るところからチーム戦は始まっていた。リーダーである俺のアドバイスを無視した結果、野薔薇やレイチの奴らがいくつ材料を無駄にしたことか……。俺が学んだことは、卵もまともに割れない奴らと共に協力戦をすべきではないということだ」
(氷河さん、それはちょっと言い過ぎじゃ……)
そう思った小鳥だったが、顔に出ていたのか、氷河に言われてしまう。
「櫻井小鳥、お前もあの場にいたなら俺の苦労を理解しただろう。野薔薇なんて、卵くらい割れますわよとか自信満々に言って拳で粉砕したバカだぞ」
流石、拳で語る肉体派クラス。
麗しい美女の野薔薇が卵を力技で粉砕したところを想像し、小鳥は苦笑した。
基本的に闇人は料理をしないため、できなくても仕方ないはずだ。
そう言い返せば恐らく「俺だって闇人だが?」と氷河から反撃されるに違いない。
ここは黙っておくのが利口だ。



