「じゃあ俺もうすぐライブだから行くわ」
カロンのペースで唐突に始まったお喋りは、やはりカロンのペースでいきなり終わる。
ヒラヒラと手を振ってカロンは去っていった。
「ルカくん、カロンさんが教えてくれたお菓子屋さん、行ってみていい?」
「いいよ。確か、あっちって言ってた?」
闇人で混雑した道を通り抜け、カロンが示していた方向へ。
少し進むと、並んでいた屋台が途切れ、いくつかの丸テーブルと椅子が置かれた休憩所らしきスペースに出た。
(あっ、あそこに座ってる子、クッキー食べてる)
人間の女の子だろうか。
男性と二人でテーブル席につき、紙コップを片手にクッキーをつまんでいる。
「ここが、お菓子屋さん……?」
「小鳥、あっちに店っぽいの出てるよ。食べ物おいてある」
休憩所のすぐ近くに一つだけポツンと存在する屋台。
行ってみると、知っている顔が店員をやっていた。
「い、いらっしゃい、ませ……」
自信無さげな声で挨拶してくれたのは、フードをすっぽり被ってモジモジしているレオだ。
「レオ?何やってんの?」
「ひっ!?ど、どちら様ですか!?」
大人ルカに名前を言い当てられ、ビクリと肩を震わせる。
「レオさん、こんにちは」
「あ……小鳥。いらっしゃいませ、こんにちは」
小鳥を視界に入れて、レオは少し落ち着いた。
「レオ、俺はルカだから」
「え!?ルカっ!?」
「色々あってデッカイけど、とにかく俺だから」
「し、信じられません……」
一歩、二歩と下がっていくレオ。
ルカは意地悪げな顔をして腕を組む。



