「小鳥、あの二人の演奏なんていつでも聴けるからさ、お店見て回ろ?」
「あっ」
強引に手を引かれ、立ち並ぶ露店の方へ。
地上の夏祭りに似た雰囲気のそちらは、射的のようなゲームができる店や、雑貨を売る屋台などでいっぱいだ。
しかしーー。
「……食べ物屋さんは、ないのかな?」
「あ〜……うん。ブラッディーボトル売ってる店ならあるけど……そういうことじゃないよね?」
「うん……」
別に食い意地が張ってるわけではない。
だけれども、屋台があると食べ物を期待してしまうのは人間として普通のこと。
無意識に小鳥はションボリした声を出していた。
と、その時。
「おーい、ちょいと、そこのオッサンルカ。若い小動物なお嬢さん連れ回してるとか、犯罪じゃね?」
小動物と呼ばれ、誰だか察する小鳥。
近くのぬいぐるみ売り場からこちらへやって来たのは、やはりカロンだった。
「オッサン言うな。犯罪じゃないし。てか、俺がダメなら白魔とか余裕でアウトだろ」
「あれは大魔王っていう特別枠」
「意味わかんねーよ!」
「まあ落ち着け。オッサンルカが暴れても全然可愛くない」
「いつもは可愛いのかよ!?」
「んー?それなり?」
「……なんかジワジワとムカついてくるっ」



