「やっ……!」
好きじゃない男の体を全力で突き飛ばし、抵抗の声を上げる小鳥。
首から手が離れ、小鳥は咳をしながら息を吸い込んだ。
「なんで?どーせ、もうルカくんとは、してるんでしょ?」
ヴォルフの声に混じる嘲りが強くなる。
それからヴォルフは小鳥の腕を掴むと、袖をまくって白い肌を露わにさせ、そこに舌を這わせた。
ねっとりと肌を撫でる舌が、小鳥に嫌な予感を突きつける。
(牙が……!)
牙が当たる感触がしたかと思うと、痛みが走った。
肌に鋭い物が突き刺さる。
「っ……いっーー」
腕を噛まれた。
痛みを堪える声が小鳥の口から漏れる。
ヴォルフはこぼれる血をじゅるりと啜った。
「フッ、ハハハッ!イイね!キミ、泣き顔すっごいブサイク!かわいいよ」
泣いてない、と否定しようとした小鳥だったが、瞬きに連動してポロリと涙が落ちる。
それを見てヴォルフは更に歪んだ笑みを深めた。
暗い中でも、闇人であるヴォルフには小鳥のことがよく見えている。



