「え……ヴォ、ヴォルフ、さん……?」
体を起こした小鳥に覆い被さり、至近距離で見下ろしている人物がいる。
室内が暗いため、目では判断できないが、相手が誰かは声でわかった。
「フフッ、そうだよー、ボク!キミのこと、ぐっちゃぐちゃにしに来たよ。今から死にたくなるくらい、ボクが、キミで、遊んであげる」
楽しそうに、無邪気に、その声は笑う。
身の危険を察知し、小鳥はビクビクしながら距離を取ろうと後退ったが。
「逃げられるとでも思ってるの?」
その言葉と同時に、小鳥の首に手が掛かる。
次の瞬間、小鳥は強い力で首を絞められた。
「っ、ぁ……!」
「アハハ!今のキミ、あの時よりも、ずっとずっとマヌケ面だね。どう?苦しい?苦しいでしょ?キモチイイくらい苦しいよね」
狂ったように笑うヴォルフ。
彼の吐息が耳や頬を撫でたかと思うと、柔らかな何かが小鳥の唇に押し当てられた。
「ん……っ!?」
目の前にある綺麗な男の顔。
押し当てられたのは彼の唇で。
首を絞められながら、小鳥はヴォルフにキスされたのだと気がついた。
瞬間、ルカとのキスを思い出し、今触れ合っているのがルカではないことにゾワリと身を震わせる。
(気持ち、悪いっ……!)



