「うわ……なんか面倒臭そうな奴。名前なに?」
「あー……忘れた」
カロンならそう言うと思った、とルカが呆れていると。
「蒼神(あおがみ)くん、ではないかな?」
ルカの耳元で低い声がしたかと思うと、ルカの背後からひょこりとジェラルドが現れた。
「うわぁ!?父さん!?びび、びっくりしたぁ!なんでいんの!?」
「ルカ慌て過ぎ。ウケる。てか足音しなかった。親父、お化けじゃね?」
「ふふふっ、お化けではないけれどルカをからかいたくてコッソーリ近づいてみたんだ。どうだったルカ?」
「やめろよ迷惑だなもうっ!!ほら、小鳥だってめっちゃビックリしてんじゃん!」
「っ……び、びっくり、しました……!」
驚き過ぎて声も出なかった。
小鳥はちょっぴり涙目だ。
まだフランスには帰らず、ジェラルドが屋敷内をうろちょろしていることは知っていたが、ホラー中に不意打ちを仕掛けないで欲しいと小鳥は切実に思った。
悪趣味である。



