「ドイツの……名前なんだっけ?」
思い出せないカロンに、ルカは嫌そうな表情でボソッと答えた。
「……ヴォルフ」
「おー、そんな名前だった。……つか、なくねぇ?まさかエロ動画派?」
「お前もう出てけ!」
カロンの大きな背中をグイグイ押して、なんとか廊下に追い出す。
小鳥もアルバムを本棚に戻し、ルカの後について行った。
「で、なんの映画だっけ?」
居間に入ってからルカが尋ねると、カロンがニヤリ。
「超怖いホラー」
「俺帰る!」
即答だった。
踵を返そうとするルカをカロンがガシリと捕まえる。
ルカは首根っこを掴まれた猫状態になった。
「待て待て待て、あんたの家はここ。帰る場所はホラーの中」
「意味わかんねぇよ!!俺が幽霊とかダメなの知ってんだろ!?」
「知ってる。けどルカいないとつまんないし」
「なんで……?」
「ビビってるルカを見て俺が楽しむから」
「映画を楽しめよ!」



