深い青が煌めく天。
その人工的な夜空の下に広がるのは小鳥が見慣れてきた光景だ。
「日本の地下と似てますね」
建物や道、街の雰囲気は日本の地下世界とあまり変わらない。
最大の違いは通り過ぎる闇人達が西洋人ということだ。
「日本と似てるというより、日本が似てるんだろうね。先に地下世界が出来たのはこっち。日本が真似たのさ」
白魔の説明を聞き成る程と納得しながら狭い歩道を歩く。
エレベーターから降りて約十分。
ずっと歩いていた三人の目の前にやっと目的地が見えた。
「あれが我が家だよ!さあ、入りたまえ」
他の一般住宅とは明らかに異なる雰囲気の建物を指してランベルトがニコリと笑う。
「え…?お城?」
ドイツの有名なノイシュヴァンシュタイン城を思わせる巨大な屋敷。
「へえー、ここか。なかなかイイ趣味してるね」
クラヴィエ家も西洋の城を彷彿とさせる外観だが、逆さまなためへんてこりんに見えてしまう。
その点、ランベルトの家は本来の向きで堂々と建っているので下から見上げると重々しく立派だ。
「ここで驚くのは早いよホワイト・デビル。すんばらしいのは中身さ!」



