「ハァ…やっと落ち着ける」
エレベーターに乗り込んだ白魔がサングラスを外す。
ランベルトも太陽避けのそれを外し、スッキリした顔で笑った。
その間に下へ下へと動き始めるエレベーター。
小鳥はふと気になったことを尋ねた。
「あの…他のエレベーターはなんだったんですか?」
墓の階段を下りて道なりに進むと奥の部屋に沢山のエレベーターがあった。
そのうちの一つに今、三人は乗っているわけなのだが。
「他のはぜーんぶハ・ズ・レ。アタリはこの一つのみだよリトル・バード」
「え…アタリ…?」
エレベーターに当たり外れがあるのだろうか。
疑問に思っていると白魔がクツクツと笑った。
「他のに乗ったら悲惨だろうね。たぶん死んだ方がマシって思うよ」
「え!?」
「むむむ、ホワイト・デビルはズバッと言うね」
つまり行き着く先には危険な罠が待っているということだ。
想像して小鳥は背筋が冷えた。
「だいじょーっぶ!安心したまえ!今ワタシ達が乗っているのは、この世に生まれてから迷子センターにだけはお世話になったことがないのが自慢なワタシが選んだランランお墨付きのエレベーターなのだから!」
「長いよ。それに君のお墨付きって一番安心できないよね」
とは言え、動き出したエレベーターは止まらない。
かなり不安を感じていた小鳥は、ちゃんと闇人の街のゲートにエレベーターが到着した時、ホッと胸を撫で下ろしたのだった。



