行くと決めたならさっさと行動。

白魔と小鳥はなんと翌日出発することに。

「お仕事、休んじゃって大丈夫なんですか?」

「ああ、平気だよ。コンサートの予定はなかったし、教師の方も融通きくからね。頼まれて善意で教えてるんだ。休みたいって言えば休みくらいくれるさ」

ということで問題無し。

弟達に留守を頼むと手ぶらで地上用のエレベーターに乗り込んだ。

「このまま手ぶらで行くんですか!?」

「うん。貴重品さえ持ってれば、後の必要なものは全部ランベルトが用意してくれるからね」

「そうだよリトル・バード。心配ご無用さ」

そう言うランベルトも手ぶらだ。

彼の荷物はすでに、一緒に来ていた召使によって地上へ運ばれているとのこと。

クラヴィエ家から買ったブラッディーボトルもその中にあるらしい。

「地上についたらまずは車だね!乗り物酔いしやすいワタシの召使が安全運転で空港まで送り届けてくれるよ。期待しておきたまえ!」

「……その召使で本当に平気?」


初っ端から不安要素がたっぷり。

気疲れする旅になりそうだ。