泣いていた時は儚い横顔だったのに、すっかりいつもの白魔だ。
小鳥はもちろんランベルトも内心でホッとする。
「ところでホワイト・デビル、キミは昔もその曲を歌っていたね。あれは誰を思っていたのかな?」
「ああ……母上さ。丁度死んだ頃だったからね」
(そっか…お母さんだったんだ)
失恋というより、母親を失った喪失感と悲しみを歌に乗せていたのだろう。
小鳥は二重に安堵した。
「それよりランベルト」
「何かなマイハニー」
誰がハニーだと内心毒づきつつ、白魔はにこやかな表情を作る。
「かくれんぼしようよ」
「んん?ワタシとかい?」
「そう。君が鬼だからね。ここで六十数えてから探しに来て。もし見つけられたらご褒美をあげるよ」
「ご褒美!!ホワイト・デビルのご褒美!!頑張っちゃうぞ!」
張り切るランベルトを眺めて小鳥は小さく首を傾げた。
(白魔さん、いきなりどうしたのかな?)
と、その時。
「今のうち、おいで」
白魔が小鳥の手を取り走り出す。
気づけばランベルトのカウントは始まっていた。



