行ってしまった兄と少女を見送って自身に刺さったままのナイフを引き抜く。
フェオドールは疲れたように溜息を吐いた。
「いや~、キミも大変だね。お兄様があれでは」
「……いたのか」
近寄って来たランベルトを見て再度溜息。
「キミが殺されるんじゃないかとヒヤヒヤしたよ」
「……そうだな。死んでいたかもしれない」
白魔は最初、首を狙ってきた。
闇人は首を切り落とされた終わりなのだから、白魔は殺す勢いで切り掛かったということだ。
「……けど、それも悪くない」
命を懸けても良いと思える相手だからこそ、誘惑を仕掛けた。
白魔が邪魔しに来なければ、あのまま――。
「ところでワタシのポチが悲惨なことになっているのだが気のせいであって欲しいなーというか、え?これ現実?ちょっとマジ泣きしたいんだけど」
「………すまない」
「よろしいフェオフェオ。今からキミを抱かせてくれたらチャラにしてあげよう」
「断る」
フェオドールは全力で逃げた。



